novelD
□last angel
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アレンはもう高3。もうすぐ夏休みに入るいま、アレンの進路が気になるのは当然なんさ。俺は弁当を食べ終えてアレンを見つめる。
「なあ、アレン」
「はい?」
モグモグとたくさんのご飯をつめて食べているアレンに俺は自然と笑顔を向けてアレンに話しかける。
「アレンはさ、卒業したらどうするんさ?」
「………本当は大学に行きたいですけど…」
アレンの実力ならそれなりの大学には入れるだろう。けど……アレンには重大な問題がある。
「……借金がまだあるから……とても学費を工面出来るかわからないので…」
「……そか…」
アレンにのし掛かる借金はかなりの額。ぶっちゃけ、一生働いて返せるかも……それくらいの額だ。でもアレンは愚痴一つ溢さずバイトをしている。そんなアレンは健気で……それと同時に辛くなった。
俺はアレンに何もしてやれない……
アレンを幸せにしたいのに……アレンを苦しみから救いたいのに……
でも、卒業したらそれは出来ない。どうすればいいんさ……
焦る俺にアレンは優しく微笑んでくる。
「大丈夫ですよラビ…僕は幸せです。貴方といられるから…」
顔を赤くさせて呟くアレンに俺の方が赤くなる。
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