novelD

□last angel
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アレンは無意識に俺を幸せにしてくれる。俺がアレンを幸せにしてやりたいのに……何か出来ないんさ










いつものように昼休みを終えて授業に戻るアレン。俺はそのまま部屋にいて考えていた。もちろん、アレンの事を……


アレンを縛るのは借金。それさえなければアレンは普通の暮らしが出来る。もっと幸せになれる……けどそれはどうにもならない。一度、俺の祖父とされてる人に頼んだが……


『貸す事は出来る。じゃが、それは一時凌ぎに過ぎん。それでもいいのか?』


確かに、アレンの借金はそれで無くなるかもしれないけど、アレンはきっとそれが重荷になるのだ。自分じゃない、他人のだから……


「本当にどうすればいいんさ…」

虚しさだけが募る。もっとアレンを幸せにしたいのに……そう思っている俺の前に強烈な光が現れた。目を細めて見れば、そこには勝手知ったる顔がある。余りに知った顔で俺はつい苦笑してしまった。


「……何の用さ」

俺の言葉にそいつはクックッ、と喉を鳴らして笑ってくる。

「久しぶりなのにつれないねぇ、ラビ」

「ティキ」

天使に見えない黒い天使・ティキが立っていた。ティキは笑って俺の前の机に腰を下ろした。

「何悩んでる?」



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