novelD
□夢のような現実
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………約束の時間、俺は車でアレンを迎えに来ていた。仕事を終えたアレンは俺を見つけ笑顔で車まで来る。
「お疲れさんさ、アレン」
「いいえ、これくらい大丈夫ですよ」
ふふ、と笑ってアレンは手荷物……大量の弁当……を後部座席に置いて助手席に座った。シートベルトを着けたのを見て車を出しアレンの家に向かう。
「いつもありがとうございます、ラビ」
「毎回礼はいらないさ。俺が好きでやってんだし」
「そうですか?ありがとうございます」
これだけストレートに言ってもわかってないアレン。本当に天然さ……
アレンの家に着いて、一緒に部屋に入る。アレンはお茶を入れると言って台所に消えた。いつも来るが、本当に殺風景な部屋……アレンには余裕がないから必要最低限のモンしかない。たまには何かプレゼントしたいが……何がいいんかイマイチわかんねぇ。
「はい、ラビ」
ハッとして前を見れば笑顔でお茶を出してくれたアレンがいて……またトリップしてたさ。
「サンキュ」
言ってお茶を飲む。アレンは持ってきた弁当(賞味期限ギリギリで安くなった奴)を食べ始めた。アレンは華奢な体つきとは裏腹に物凄く食べる。
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