novelD
□夢のような現実
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「ら……ラビ…」
驚いてる驚いてる。これから……
『今の……なんでキスしたのですか?……まさかラビ…』
とか
『……今のキスは…どういう理由なんですか…』
とか言うはずさ。アレンは相変わらず目を見開いたまま、少し震えていた。これからアレンでも……
「ラビ……まさか…」
キタキタ!予想通りの台詞。そして俺の気持ちに気付け……
「…ご飯つぶが付いてたの、取ってくれたのですか?ありがとうございます」
……
……………
って、それだけさ?!?もっと他に言う事があるはず……
「慌てて食べて、付いているなんて、恥ずかしいです。でも取っていただき助かりましたラビ」
「………ぁ…あ…」
「ふふ、ラビってお兄さんみたいですね。そんなに僕が心配ですか?でもラビが兄なら僕も嬉しいですよ」
「……そう、さ…」
鈍感、天然もここまで来れば犯罪さ。これが計画的に俺を翻弄してるのなら構わないが……(アレンに俺の気持ちが知られてるから)けどアレンは本当に気付いてない。
はぁ……今日も駄目だったさ。ため息を付けばアレンは不思議そうな表情を浮かべて俺を見る。そんな顔しないで欲しくさ……
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