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□らしさ らしく
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ポツリ
ポツリ
AKUMAの残骸に冷たい雨が落ちる。その中心にいる少年は静かに涙を落とした。
漆黒の青年が見守っていたのを忘れて、ただ、静かに―――
【らしさ らしく】
夜中に任務から帰ってきたのは神田とアレン。時間が時間のせいか二人には疲労の色が見えていた。舟を降り、二人は階段を登っていた。
「…こんな時間に報告行くのは非常識ですよね」
「………」
「明日の朝でも大丈夫でしょうか…」
「………」
「……聞いているんですか?」
「……コムイの野郎が寝てるとは思わんがな」
神田の言葉にアレンは苦笑するしかなかった。実際、寝る時間もないほど忙しいのだ。
「………イノセンスもなかったから急ぐ必要もねぇだろ」
「まあ、そうですが…って、神田?何処へ行くんですか?」
「……寝る」
「なっ、神田ぁ!」
アレンの言葉を無視して神田はスタスタと歩いていった。アレンはそれを見てはあ、とため息をつく。
「……まあ、僕も疲れたし…明日でいいかな」
少しだけ大丈夫かな?と思うアレンだが、疲労には勝てず自室へと足を向けた…
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