novel@

□モヤシ
1ページ/10ページ

任務を終え、神田はコムイに報告をしていた。

「ほらよ」

「いやー、お疲れさん。さすが神田くん」

「…うっせぇ」

いつもの悪態をついて神田は部屋を出た。歩いていると、科学班の忙しさが目につく。その中にはラビもいた。大方手伝わされてるのだろう…

自分に関係ないとため息をついて去ろうとする神田の耳に、ラビの声が響いてきた。

「なー、モヤシどこ?」

「!」

その言葉に神田は振り返る。普段その言葉は神田がアレンを呼ぶ時にしか使わない言葉だからだ。初めの頃こそ、ラビはからかうためにアレンをそう呼んでいたが…

少しだけ驚く神田。そんな神田を他所に、ラビは話を続けていた

「モヤシ〜?そんなん明日だ、明日」

リーバーの言葉にラビがため息をする。

「明日かよ…」


【…明日、モヤシは帰ってくるとは聞いていたが…】

なぜラビがそうモヤシモヤシと連発するのかわからなかった。

ただ…

ただ神田はラビの言葉に苛々していた。手を強く握りしめる。自分でも気付かない雰囲気を出して歩いていた。近くを通りかかる人たちちはその空気に圧倒してしまう。

.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ