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□愛しい君へ
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AKUMAを倒し、アレンはリナリーの待つ宿に向かって歩いていた。怪我もなく、このまま帰れると伝えて…
コツ…コツ…
「………」
『つけられている…』
アレンは自分と同じスピードでついてくる足跡に気付いた。そして向かう先を宿から少し離れた空き家に向かっていた。
コツ…コツ…
『まだついてくる…いい加減五月蝿いよ…』
アレンはため息をついて、空き家を回ったところで止まった。すると足跡が更に早くなった。だが…
「あ、あれ?」
足跡がしていた方を見るが誰もいない。アレンはじっと見つめるが誰もいない。おかしいなあ、と思って振り向くとそこには1人の男が立っていた。
「やあ、少年。」
「っ…ノア…」
少しだけ驚くアレンに男はゆっくりとアレンの前に立つ。
「酷いなあ、少年。ティキって名前あるの、忘れたのかい?」
意地悪く笑うティキにアレンは下がりながら呟く。
「じゃあ、僕の名前を呼べない貴方もそうとうですよ。」
「おやおや、機嫌を損ねてしまったかな?…アレン」
「……」
ティキは笑いながらシルクハットを上に上げると、そこにはアレンとは全く違う肌を持つティキがニヤニヤしていた。
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