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□I grant……
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君の望みはなに?
俺が叶えてあげるよ
だって俺は君の天使なんたから………
【I grant……】
しがない天使の俺はぼんやりと下界を見ていた。仕事はそれなりにこなすけど、女の子は回してくれない。まあ、惚れっぽい性格が災いしての事だろう。周りは忙しいのに俺は……
ぼーっとしてたら、聞き慣れた声がした。
「暇人はいいねぇ」
「ティキ…」
天使のくせに肌も髪も服も黒のコイツ。俺の悪友……
「何の用さ」
「んなの、仕事に決まってるよ」
そう言って俺に写真つきの資料を投げてきた。
「その子の願い叶えてくるんだと」
言われて写真を見てまず驚いた事……
「…可愛いさ」
「少年だけどな」
「へ?」
男?うそ……けど可愛い。男なんて勿体ないさ……
そしてもう一つ驚いた事
「……真っ白……」
「ああ、事故のショックで髪が白くなったらしい」
「……ふぅん…」
答えるティキに相槌を打つが実際はその白さと可愛さにやられていた。だってこの子……
「俺より天使の羽根が似合いそうさ…」
真っ白なこの子に真っ白な羽根……きっと似合うだろう。
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