novelA
□少しだけ……
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貴方を見ればドキドキしてしまう
貴方が好きだから……
【少しだけ……】
パクン……アレンは美味しそうに目の前の料理を食べていた。
「今日も幸せそう、アレンくん」
「ふあ、ひなひぃ」
大量の料理を口に含んだまま話すアレンに声をかけたリナリーはクスクス笑ってアレンの前に座る。
「美味しい?」
「んぐ…はい!とても美味しいです!」
「そう、よかった。あ、そういえば……ラビがアレンくんを探していたわよ?」
「ふぇ?」
リナリーの言葉にアレンはきょとんとする。
「ラビ、帰ってきたのですか?」
「さっきね。アレンくんに逢いたい逢いたいって煩かったわ」
そう言って笑うリナリーにアレンは赤くなっていた。恋人であるラビは所構わず抱き付いてくる。嬉しい半面恥ずかしくてアレンはいつもラビを殴っていた。
「疲れてると思うから部屋にいるかもね」
「そうでしたか……教えてくれてありがとうございます」
「いいのよ……さ、そろそろ兄さんの所に戻らなきゃ……またね、アレンくん」
「はい」
にっこり笑って去っていくリナリーを見て笑顔が溢れるアレン。
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