novel③
□君だけを見つめている
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SANO side――
初めはただ鬱陶しいだけだった。俺に付きまとい、俺のする事にいちいち反応して……
だから俺はアイツにキツい事をたくさん言った
『煩せぇ』
『ついてくるな』
『俺の心に入って来るな』
だがアイツは物怖じせず俺について来た。何回も何回も、突き放したのに、な……
そんなアイツに俺は……
いつしかアイツがいるのが当たり前で、アイツが笑うのが嬉しくなっていた。俺らしくない……わかっていても俺は……
初めてアイツの名前を呼んだとき、アイツは本当に嬉しい顔をしていた。
アイツによって俺は変わってしまった。だが―――アイツならいい……そう、思っていた。
だから今度は俺がアイツを追いかけるんだ……そう、決めたからな……
SANO side end
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