novelD
□dance again
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普通の人とは違う腕にコンプレックスを抱くアレン。ミランダはそんなアレンの気持ちを知りながら優しく微笑んだ。
「大丈夫ですよ。体の事を気にしていたら何も出来ないわ。アレンくんには伸び伸び暮らしていて貰いたいのも……だから今日は忘れて行ってきて」
ミランダの言葉にアレンはギュッと瞳を閉じ……頷いたのだった……
ミランダがアレンに用意したドレスは実に奇抜だった。アレンの、赤い左腕はすっぽり隠れているが逆に右腕を隠すものはない。眺めの手袋もほとんど意味を見せない程……純白のドレスの中で唯一、胸にある薔薇のコサージュだけが色をなしアレンの白を強調していた。
「素敵ですよ、アレンくん」
「あ、ありがとうございます…でも…」
胸元が強調されるドレスにアレンは戸惑いを見せる。ミランダ程胸はない、そんな自分がこのようなドレスを着てよいものかと。
そんなアレンの不安を読み取ったミランダがくすりと笑ってアレンに言う。
「素敵ですよ。お世辞ではありませんから」
「ミランダさん…」
「さぁ、急いで。馬車を呼びますから」
ワタワタするミランダにアレンはこっそり頭を下げた……
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