novelA
□suspicion
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ペロリとアレンの乾いた唇を舐め、ラビは激しく貪るようにくちづけを交わしていく。その急速な快楽にアレンは理性が切れるのを実感した。ラビを強く抱き締めラビを求める。
「っああ!ラビ…ラビィ!」
「くっ…イイさ…すげぇイイ…」
ラビが動く度にアレンは気が狂うようにラビの名前を呼ぶ。ラビは呼ばれる毎にアレンを激しく攻め立て、二人はそのまま快楽を貪りあった………
「…………ん…」
重い目蓋を開くと、目の前には沈みかけの茜色の空が見えていた。アレンは躰を起こすと腰に広がる鈍痛に顔をしかめる。
「……ラビ……」
先ほどまで躰を合わせていた相手はいない。まるで夢のように……脱がされた服はキチンと着せられ、自らとラビの体液に汚れた躰は綺麗に処理されていた。唯一残る、この鈍痛だけがそれまでの情事を物語っていた。
アレンは躰を起こし、ふぅ、とため息をつく。あれほど仲がよかった「彼」はあっさりとアレンから離れていった。再会した「彼」は「敵」になっていたがアレンにはそれすら夢のように感じていた。
彼の声も、彼の指も、彼の……名前も、すべて今までの「彼」なのだから
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