novelA
□the moon
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綺麗に皿に山積みされているそれはみたらし団子の団子のようで……アレンはあぁ、と小さな相槌を打ってラビに何かを渡した。それは……
「………………うさぎの耳……だよな?」
カチューシャについたうさみみをラビに手渡し、アレンはニコニコしながらラビに囁いた。
「ラビの為に作ってもらったんです」
「…何で?」
不思議そうな表情を浮かべるラビにアレンは笑顔のままラビの頭にうさみみをつけた。
「………アレン??」
「ふふ、似合いますよ、ラビ」
ふわりと微笑むアレンにラビは心の中で呟いた。
(これはアレンの方が似合うさ……じゃなく)
「いや、何でうさみみ?」
素朴な疑問にアレンはラビをベッドに座らせ、窓を見た。そして夜空に浮かぶ月を見つめる。
「満月の夜、月にはうさぎがいるんですよね?神田に聞きました」
「……あぁ、えっと……中秋の名月だっけ?」
「そう、そうです。月を見ながらお団子を食べるんですよね!」
きらきらした瞳で言うアレンにラビは苦笑する。
「……つまり、アレンは団子が食べたい訳さね」
「ただお団子が食べたいって訳ではないです。こう、月を見ながら食べたいんです」
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