novelB


□Collision
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別々に風呂に入った二人はそのまま食堂に向かう。そこにはラビの姿はなく、リナリーは少しホッとしていた。もう少しアレンが落ち着いてからの方がいい……そう思っていたリナリーにアレンは笑っている。その作られていない笑顔にリナリーは少し癒された気がした。リナリーも笑顔でアレンを見つめ、周りにいたファインダーも何だか幸せな気分になる。それほど二人の笑顔は周りを癒すと気付かず………




楽しい時間を過ごしたアレンは食堂を出てすぐリナリーと別れた。ラビを見て機嫌が悪くなったのを直ぐにリナリーに知られてしまい、アレンは自分のポーカーフェイスがこんな簡単に崩れた事に少なからずショックを覚える。いつもなら簡単に笑えるのにぎこちない笑顔しか出来ていない。アレンはこれほどまでに自分を掻き回されているのを実感していた。それはラビのせいだと直ぐに気付く。


『……ラビの馬鹿…』

ポツリと心で呟く。こんなに心を掻き乱されているのが悔しくて仕方ない。だがそれと同時にこんなにもラビが好きだと気付く。今ではラビがいないと駄目になってしまいそうな自分に苦笑するしかなかった。


「それにしても…」



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