novelB
□、equal
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「あら、どうしたの?」
鈴が鳴るような声がファインダーの耳に入る。声のした方を見れば……いつもの笑顔を浮かべているリナリーが立っていた。藁をも掴むようにファインダー達は事情を説明する。それを聞いたリナリーは………少し黒い笑みを浮かべ二人の元へと歩いていった。
「ラビの馬鹿!」
「馬鹿馬鹿言い過ぎさ!」
「はいはい、それまでよ二人とも」
リナリーの声に二人は互いを見ていたようにリナリーを睨み付けるように見る。だが……笑顔を浮かべているリナリーは何時しかイノセンスを発動しており、二人は一瞬にして息を飲んだ。
それまで抑えられない怒りは瞬時に無くなり、二人は顔を引きつらせてリナリーを見る。
「り…」
「リナリー…」
「もう、こんな所で喧嘩しないで。ジェリーに何かあったら大変でしょ。それに…」
にっこり笑ったリナリーの口から、今までにないくらいのキツい言葉が二人に降り注がれた。
「…あんまり皆に迷惑かけちゃうと、兄さんに言い付けるわよ」
「「!!!」」
まるで吹雪の中にいるように、一瞬にして凍りつく二人。その様子に、恐怖を覚えたファインダー達だった………
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