学園アリス

琉架×蛍『あるデートでの出来事』
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ある日のデートでの出来事。




珍しく彼女からブラインドショッピングがしたいと誘ってきたのには少々驚いたけど、長いテスト期間によってデートになかなか行けなかったので、喜んでその誘いを受けたのは、ついこの間のこと。


久しぶりの二人っきりの時間を満喫して、休憩にきれいな噴水の見えるベンチに座った。


「はい。…のど、渇いただろ?」


とさっき自販機で買ったばかりの冷たいペットボトルのジュースを渡し、蛍の隣に座る。

自分の分を開け、一口飲んで蛍を見ると、まだキャップが開かないらしく悪戦苦闘をしていた。

俺はそんな彼女の不服そうな顔がかわいくて、自然と笑みがこぼれた。


「貸して?」


と言って蛍のボトルを受け取ってキャップに少し力を入れた。

「あ、開いた。はい。」


難なく開いたボトルを手渡すと、まだ不服そうな蛍の表情。


しかも、俺をじっと見てる。



「……な、なに?」


そう訪ねると



「くやしいわ...」


「…は?」


予想外の言葉に驚く。


「…だって…最近かっこよくなったもの…///」



少し上目遣いでいった彼女に、迂闊にもときめいてしまった。



「なっっにを急にっっ」


「“急に”は琉架のほうよ。」



蛍はジュースを一口飲んで、コテンと琉架の肩に頭を置いた。



「…かっこよくなったわ。」



小さな声でつぶやいた言葉を、俺は聞き逃さなかった。


そして、口にした当の本人は赤くなった顔を俺に見せないように、少し下を向いていた。





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