人類最母の人間最優

□娘
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『…ん


あら…ここは…?


って、そんなこと言ってられませんね』


そう、今私は落下中です。


喋っている暇はありません。


『…とにかく、着地しましょう。』



と、思い、空中で着地の準備をした。



そして下を見ると



赤い車が走っていた。



なんでしょう、あの赤い車。



ものすごく目立ってますわ…



でもこのままじゃあの車に着地してしまいます
わね…



…とにかく着地ですわ。




そして、私は大きく声を張り上げた。



『そこの赤い車さんー!危ないですわよー!』




…聞こえましたでしょうか…




というかもう赤い車に当たるのは確実です
わね…



ストンッ



そして、赤い車に着地した。




…成功してよかったですわ。




「…おい、お前」



『あら、失礼しました。


私、色神紫苑と申します。

以後お見知りおきを。



そしてここはどこですか?』



「ここは京都だ。



ところで、お前…



あたしの母親にならねえか?」



そこで、衝撃的カミングアウトをされ、私は
改めてこの車の持ち主を見た。



全身真っ赤だった。


何もかもが真っ赤で、車の色も頷ける。



そして、何故か。



この人を、思いっきり愛して、愛して、愛して
甘やかして、…そう、それは。


母性本能、というものなのかもしれない。




思わず、私は。




『ええ。私があなたを心から愛してあげましょう。』



返事を返していた。



けど、後悔はしてませんわ。



本当に思ったんですもの。



とにかく、今日――




異世界に来て、娘が1人できました。










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