中編
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あれから、2人で手を繋いで帰った。
『「離したくない」』それが2人の願いだった。
そして、部屋で改めて抱きしめあって、触れ合う。
「…ボンゴレに頼んで仕事は減らしてもらいます。少しでも、咲良の傍にいれるように…」
『…うん。私も、骸と離れたくない…っ!』
そう言って骸に抱き着く。
骸は黙ってそれを受け入れた。
『もっと生きていたい…!
もっと、骸と生きていきたかった。
骸との子供だって欲しかったし、
もっと――もっと、骸と幸せになりたかった。
骸と、離れたくないよ…』
そう言って泣く咲良に、骸はただただ咲良を強く抱きしめていた。
『…ごめんね、死期が近いからなのかな。欲張りになってきちゃった。』
「…僕だって、咲良と離れたくありません。
咲良と、ずっと一緒に生きていたいです。
咲良との子供だって、欲しいです。
咲良と、もっともっと幸せになりたいです。
欲張りなのは僕も同じですよ」
『…うん。そうだね』
そう返して、少しだけ笑った。
「だから―――今から、もっともっと幸せになりましょう。」
『…え?』
「僕は咲良のためならなんでもします。ずっと傍にいてほしいなら、ずっと傍にいます。抱きしめてほしいなら、抱きしめます。
キスしてほしいなら、キスします。だから、幸せになりましょう。咲良」
『…っうん!』
欲張りな私に、もっと貴方との幸せを。
(貴方がいれば、他に何もいらない)
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