零崎愛織の人間復讐
□11話
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平和な日々。
それも、今日で終わる。
転校してしばらく経ったある日。
人識と舞織は順調にクラスに溶け込んでいった。
そんな放課後。
「あ、あのぉ〜、俊希くぅ〜ん。ちょっと
お話があるんだけどぉ…」
「あ?なんだ?(うわっ!また話しかけてきた!
まったく、しつこくて困るんだよな…だけど
策戦通りだな。こいつを一時的に幸せにして
おいて、どん底に突き落とす。あ〜早く愛織
に会いてぇなー)」
「ここではぁ〜、言いにくいからぁ〜、屋上
でぇ、話そぉ?」
「(めんどくさっ!どうせ告白だろ?)
…いいぜ」
「ほんとぉ〜?ありがとぉ〜!じゃぁ行こぉ!」
ぐいぐいと腕を引っ張ってくる。
「…(気持ち悪りぃ!触れるな触れるな!俺の
手を握っていいのは愛織だけなんだよ!!!)」
―屋上―
「で?なんだ?(あー、気持ち悪かった…)」
「あ、あのねぇ〜、魅羅ぁ〜、俊希くんの
ことがぁ〜、好きなのぉ〜。付き合ってぇ〜」
「…(気 持 ち 悪 い!!!キモすぎるだろ!
しかもなんで上から目線なんだよ!!)」
「?俊希くぅ〜ん?(あ、もしかして嬉しすぎて
動けないのかもぉ〜!完全に落ちたわねぇ〜)」
「……嫌だね!お前なんかと付き合うなんて
まっぴらごめんだ!!」
「えぇ〜!!!な、なんでぇ〜!!(嘘よ!!なんで
なんでなんで?!なんでなのよぉ!こんな可愛い
魅羅の告白をなんで断るのよぉ!!!)」
「だってさぁ、お前厚化粧だしブスだしおまけ
に性格もブスだし。なんだよその顔。顔面凶器
か?もうそれ化粧のレベル超えてるだろ。
しかも香水も臭い。あきらかにかけすぎだろ。
それに俺、好きな奴いるし。」
「ブ、ブスぅ?!顔面凶器ぃ?!!どこがよ?!
…あ、分かったぁ。あの女が俊希くんを
そそのかしてるのねぇ〜!大丈夫だよぉ〜、
俊希くん!魅羅が絶対救ってあげるからぁ〜!
待っててねぇ!」
「ちょ?!全然違うんだが?!…いっちまった。
かははっまあ、とにかく策戦通り…ってか?」
人識は頬の入れ墨を歪ませて、嗤った。
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