烏の群れの中で

□3対3で得るものは。
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――3対3当日

「よーし、じゃあ始めるぞ!」


大地の声で試合の準備が始まる。
が、月島が相手チームを挑発しているのが聞こえる。


『ありゃー、龍を挑発するのは良くないなー…』


挑発したらするだけやり返すタイプなのに。
ていうか、月島性格悪い…。


『あっ、潔子さん!それ私がやりますよ!』
「ななしはノート取るでしょ。」
『いやでも…』
「その仕事はななししか出来ないんだから」
『うっ…』

そう言われてしまうと何も言えない…。


「ジャアアアシャーッシャラアア!!」


『っ…何?』
「田中が点決めたんだけど…」
『…脱いでますね』
「…うん」

なるほど、後輩に挑発させるとこうなるのか。
そしてみんなから怒られ、試合再開


『あ、日向だ…っ!』


すごい……ジャンプ力。
たぶん、元々の身体能力が高いんだ。
だけど、ただジャンプが高いだけじゃ今見たく止められるんだろうな。
スパイクも下手だし。


その後も何度か日向にボールが来るが、そのたびに月島に止められる。


『んー、やっぱり高いだけじゃダメですねー』


なんかこう…他にないとダメな気がする。
こう、こう速攻?とかなら相手を惑わせそう!


「行け!殺人サーブ!」


『影山のサーブかあ…』


おおっ…強烈!だけど…
大地さんに勢いも回転も殺されてる。

きっとコントロールつくようになったら怖いやつだ。
今後さらに強烈になる気がするし、期待大。



「自己チューの王様 横暴な独裁者」



試合が止まり、月島が影山の中学の試合の話をしている。
トスを上げた先にチームメイトはいなく、拒絶されたと。
そのままベンチに下げられた、と。


「速攻使わないのもあの決勝でビビってるとか?」


「トスを上げた先に誰もいないっつうのは……心底怖えよ」


影山の一言が私の心にグサリときた。


チームなのに、チームじゃない。
一人じゃないのに、独り。
強くなればなるほど、私は独り……なんだ。


「影山ー!!居るぞ!!」


『っ…あ』

いつの間にか試合再開してたんだっ…
今、速攻やろうとした…よね?


「ななし、影山たぶん今」

気づけば隣にいたスガさんに話しかけられる。

「田中の方に上げようとしてたハズなのに、日向の声と動きに咄嗟に反応してあそこまで正確なトスを上げた、よな」
『しかも、速攻ですよね』
「口の悪さばっか目立っちゃってるけど……」
『やっぱ影山すごいですね』


拒絶されても反射的にトスを上げられるのもすごいよ。

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