烏の群れの中で

□肉まん
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『練習試合ですか……』

3対3の試合が終わり、
顧問である武田先生がすごい勢いできて教えてくれた。


「青葉城西、な」
『青城かあ…』

そして、出された条件が
"影山をセッターでフルで出すこと"


『正セッターはスガさんなのに』
「スガだってそう思ってると思うぞ」
『…ですよね』
「けど、あの速攻がどれだけ通じるのかって言いうのも気になるからああ言ったんじゃないか?」
『まあ、そうだと思ってますけど…』


でも、やっぱりちょっと悔しい。
田中の言っていた通り烏野、じゃなくて
影山単体を警戒してるっぽいし。
っというか青城よりも……うん。


「大地さーん!…と、ななし」
『今間があったのは何で?龍』
「いや、ななしも肉まん食うのかと。」
『私は肉まんに釣られてません!』


「ごんべ、先輩っも一緒なんですか!?」
『あ、うん。今日はね』

日向が緊張してガチガチだ。
潔子さんにも同じ感じだったから女性に免疫ないのかな?
ちょっと龍とかと似てるなあ。


「に、してもななしがいるのは珍しいなー」
『大地さんに頼まれごとされたんですー。あ、スガさんだ。スガさーん!』


おや、影山もいる。


「スガさーん!大地さんが肉まんオゴってくれるって…」
「でもさ、影山。青葉城西って北川第一の選手の大部分が進む高校だよな」
「ああ、まあそうっスね」
「いやそのー、やり辛くないのかなって」
「?…同じチームだったら考えるかもしれないけど…戦うなら全力でやるだけです」


『…影山は単純にバレーバカっぽいですね』
「ははっ…あ、すいません。肉まん全部ください」
『えっ…全部ですか?』
「あ、うん。一人一個はたぶん……足りないからな。」
『……あー』

菅原と影山が話している間に
お店の中に入り目的の肉まんを買う。


「日向、これ持っていってくれ」
「はっ、はい!!」


肉まんを買い占め、お店の外に出ると
まだ話をしているというか話題が変わっている。


「影山が中学ん時と同じだと思ったら大間違えだって見してやりたいじゃん!」


「怖いのは影山単品じゃないってとこ見してやろう」


『あっ…日向まっ…』
「なあ日向!」


さっき渡した肉まんを口の中に放り込んでいる日向の姿。


そして、田中と影山に怒られる。
ついでに坂下の兄さんにも…


『すいません……』

私と大地さんでとりあえず謝っておく。


「なんかななしまで悪いな」
『い、いえっ。なんだかんで私も一個ご馳走になったので』
「ななしにはマネ以外の仕事もやってもらってるしなー」
『気にしないでください。こんなので役に立ててば…』
「……こんなんじゃないだろ。」
『……』


何も言えなかった。
大地さんはすごく私を褒めてくれる。
嬉しいけど、嬉しいけどやっぱりまだ私には…


「…影山それ食ったらちょっといい?」


『…すんません』
「少なくとも俺は、お前の事必要としてるからな」
『…はい』

大地さんありがとうございます。

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