烏の群れの中で

□緊張
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「影山と日向はセットで使いたいし」
『月島は数少ない長身選手ですし、どれくらい通用するのか知りたいです。』
「大地と田中、縁下はいつものポジションだとして、日向をどうするかだなー」

「お前どう思う?」


澤村、菅原、影山、そしてななしの四人は練習試合のポジションについて話し合う。


「……MBっスかね」
「日向小さいのに?」
『…私もMBがいいんじゃないかと思います。」

「あいつがブロックで重点を置くのは相手のスパイクをたたき落とすよりも、触ること」
『日向の反射神経を活かしてとにかく敵のスパイクに触って勢いを弱める』
「そして、確実にカウンターをしかけられます」


影山と目を合わせる。
同じ事考えてたんだ。


『あっ、でもバレー初心者レベルの日向には上手く出来ないと思いますけどっ…』
「でも、やってみなきゃわかんないべ」
「練習試合なんだし、いいと思うぞ」


そのまま話が進み…


「で、練習試合のポジションだけどー」


みんなの前で発表することになった。


『…日向がMBっていうのはやっぱり驚きますよね』
「普通は長身の選手がいるようなポジションだもんね」
『ですよね、普通は』

日向が小さいのにMBにってだけでも他校の選手にもちょっとだけ警戒心を持ってくれたらなっとも思った。


「お前が機能しなきゃ他の攻撃も総崩れになると思え」
「ちょっと!あんまプレッシャーかけんなよ!」


「総崩れ…そうくずれ…SOKUZURE…」


『日向が、緊張してますね…』
「…うん」
『顔が真っ青…」
「うん…」


「日向自信持って…」
「ハイ!おれ!がんばります!!いっぱい点取って!囮もやって!サーブも!ブロックも!クイックも!全部っ」

ボンッっと言う音と共に日向の顔が真っ赤になる。

「ショートした!!日向がショートしたーっ」


体育館に響き渡る無数の声…


『ちょっ、みんな落ち着いて!』
「ななしちゃん、氷持ってきて」
『は、はいっ!』


今から緊張なんかしてたら
当日どうなるんだろう、日向…。

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