烏の群れの中で

□あの二人
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『うわー…』


烏野が優勢だったのが
アップを終えた及川がピンチサーバーとして入ってきた。


「いくら攻撃力が高くてもさ、その攻撃まで繋げなきゃ意味ないんだよ?」

『…月島狙い』


及川のサーブは月島めがけて一直線。
月島が返すことは出来ず、ボールは場外へ。

「すごい威力…」

スガさんが驚いてる。

『影山以上の威力とコントロールですからね…』

たぶん、及川さんは月島と日向がサーブ苦手なのに気づいてる。

だから月島狙いなんだ。


「ツッキイイイ!!!」


『…後1点で同点ですね』
「…うん」

それも次もきっと月島を狙ってくる…
狙われるサーブってのも辛い。


「おい!コラ!大王様!おれも狙えっ!」


ネットのこっちっ側に居る全員もれなく「味方」なんだぞ。
と、龍が言ってた事を今度は日向が。


「…よし、全体的に後ろに下がれ」


「澤村くんの守備範囲を広げたってこと?」
『たぶんそうだと思います。』

武田先生も不安そう…。

けど…


「一人で全部は…守れないよ!!」


『ピンポイントで月島に…』
「すごいコントロール…」
『でも、威力はさっきより弱い!』

何とかボールが上がったけが、
相手のコートへチャンスボール。


向こうのサーブを日向がワンタッチを決めた。
……と思った次にはもうそこに日向はいなかった。


ダンッ…


「コートの端から端まで一瞬で…」
「スパイカーの手に吸い込まれるみたいなトス…」


セットカウント2-1で烏野の勝利。


『…やっぱりあの二人、すごい』

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