烏の群れの中で

□怒ってますでしょうか
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『あ、あの…大地さん』

青城の練習試合が終わって、烏野で解散をして、
大地さんと一緒に帰っている。
けど、大地さんの機嫌が宜しくない、気がします。


「なんだ?」
『あの、怒ってますでしょうか』
「いや、怒ってはないが」

ですが、黒いオーラが漏れているのですが。
これは気のせいなんですか?

「…及川、と知り合いだったのか?」
『あ、え?…知り合いというかなんと言うか。中学の時合宿で何度か…』

中学時代、長期休みの合宿があった。
その頃は男女同じ場所でやっていたし、
北川第一の選手もいた。
及川さん、岩泉さんと会ったのはその時。

「……ああ、そういえばななしだけ別で行ってたな」
『まあ…』
「じゃあ、何ですぐ言ってくれなかったんだ?」
『いや、だって。…みんないたのもありますし、あんまり及川さんと関わり持ちたくなかったので。』
「……岩泉は」
『岩泉さんとはたまに連絡取りますけど、わざわざ大地さんに言う必要もないかと思いまして…』
「…ふーん、そうか」
『あの、ごめん、なさい』

そうだよね。
相手選手と知り合いだったのに、
選手の特徴とか言わなかったのは不味いよね。
大地さんが怒るのも無理ないよ…。

「別に怒ってないから」
『…で、でも!相手選手のデータとか伝えなかったから…』
「…そういうことでも、ないんだけどな」
『え?』
「とにかく、気にするな」
『で、でもっ』
「いいな?」
『…はい!』

このオーラ出してる大地さんには逆らえない。
何が違うのかわからない。
大地さんい嫌われたくないのに…

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