烏の群れの中で

□セッター貸してくれ
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「あっ旭さんだっ!!」

武田先生が連れてきた新しいコーチ。
坂ノ下商店のお兄さんであり、鳥養監督のお孫さんだったらしい。

その烏養さんが所属する町内会チームと練習試合をすることになったのだけど…

そこに旭さんが姿を見せた。
ジャージ姿、久しぶりだ…。

町内会チームは人手が足りないらしく、
ノヤと旭さんが入ることが決まった。

「お前らの方から一人セッター貸してくれ」

影山、スガさんに向かって烏養さんが言う。
なるほど、烏養さんはセッターなんだ。

「…俺に譲るとかじゃないですよね」

相談することもなくスガさんが町内会チームの方に足を進める。

「菅原さんが退いて俺が繰り上げ…みたいのゴメンですよ」
「…俺は…影山が入ってきて、正セッター争いしてやるって思う反面、どっかでほっとしてた気がする」

…セッターはチームの軸になる。
一番、頑丈でなくてはいけない。

そう、スガさんが話している。
確かにそうだと思う。
セッターによってチームの色はガラリと変わる。

「圧倒的な実力の影山の陰に隠れて…安心…してたんだ…!」

あの時の烏野は攻撃パターンが少ない。
どうしてもエースである旭さんに頼らなければいけないことが多かった。
でも、それはみんなわかっていたことだと思うし
だから、尚更旭さんは余計責任を感じたんだと思う。

「スパイクがブロックに捕まる瞬間が考えると、今も恐い…けど、もう一回俺にトス上げさせてくれ旭」
「!」

それでも、スガさんは前を向こうとしているんですね。
…きっと、旭さんに伝わりますよね。

そして、ノヤ、スガさん、旭さんの三人は町内会チームに入って試合をすることになった。

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