烏の群れの中で

□復活だ
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「そこのロン毛の兄ちゃんラスト頼む!」

日向のサーブがネットにあたり、崩れた
そして、ラストボールを旭さんに託された。

ドガガッという音と共に旭さんのスパイクが影山にブロックされる。
下に落ちていくボール…。

だけど、そこにはノヤがいた。

『あがったっ…!』

ブロックフォロー…だ。

「だからもう一回トスと呼んでくれ!!エース!!」

ノヤが叫ぶ。
本当に旭さんの事をエースだと思っているから。
…だから、あの時怒ったんだよね。

「オーライ!」

スガさんがトスと上げる準備に入る。
…この状態だとレフトからのオープンが確実。
旭さんにもう一度、決めてほしい。

でも、きっと
旭さんに上げるべきかスガさんは悩んでいる。

トスを呼んでいない旭さんにトスを上げて
三枚ブロックと勝負させるなんてことはしたくないはず。

あの試合を思い出しているだと思う…

「嶋田さー」
「スガアーッ!!!もう一本!!!」

…ああ。
旭さんが…エースがトスを呼んでる。

『あさひ、さん…』
「旭…!!」

ネットから少し離した高めのトス
何本も、何本もスガさんが上げてきた
旭さんの得意なトスだ。

グンッと高く飛んだ。
ガガガンッと力強いスパイクが三枚ブロックをフっ飛ばした。

…さっきと違って迷いのないスパイク。
エースの、復活だ。

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