恋を知りました
□早々に
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『っ……』
「あ、ごめーん。中に人いたんだー」
「わー、ごめんねー、大丈夫ー?」
トイレの個室、上から水をかけられた。
「ちっ…なんだよ、反応なしかよ」
「つまんねー。行こう」
反応なかったのがつまんなかったのか。
さっさと離れて行ってくれる。有り難い。
というか、扉も塞がれてないし
本当にただの暇つぶしだったらしい。
水かけられたといっても
背中の中心に被ったし、そんなに酷くない。
携帯は無事だし、まあ、次の時間サボれば問題はないだろう。
昔から笑わない、喋らない、一人でいる私はいじめっ子には格好のタネらしい。
まあ、結局は無反応だから飽きられるんだけど。
クラス変わったし、
まあ、しばらくしたらやめるだろう。
『新学期早々サボりか……』
非常階段って素晴らしい。
日はあたる場所があるし、普段人通りはない、バレない。
とにかく、ここにブレザーと置いて乾かそう。
しばらくしたら髪も乾くだろうし。
そうしたら、教室に戻ろう…。