恋を知りました

□近道だから(side岩泉)
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「お前、そんなとこで何してんだ」
『……サボり中です。』
「ああ、そうかよ」


どうみたってサボっているようには見えないそいつは
真っ直ぐ俺に目を向けて言った。

確か、今年同じクラスになったごんべだ。
美人だって及川が言ってたっけか。
ただ、クラスで誰かと行動しているのは見たことがない。

で、今の状況を見ると。
いじめってやつだろう。


近道のつもりでここを通ればごんべがまだ肌寒いのにも関わらず、
薄着で座り込んでいた。


ブレザーやカーディガンが日の当たる地面に広げているっていうことは乾かしてるんだろう。


『早く戻らないと、授業始まりますよ。』
「…あ、おう」
『…岩泉くん。私は助けてほしいとか一切思っていないので、関わらないでくださいね』


どうやら俺がボケっと考えていたことが解ったらしい。
ごんべに早く戻れと言われてしまい、
そのまま教室には戻ってきたが。

やっぱり頭から離れない。


つーか、あれ乾いたところで汚れてるんじゃねえか?

別に先生に報告するとか、
犯人を突き詰めるとか、
そんなことはしねえけど。


「岩ちゃーん!なーんか難しいこと考えてるのカナー?顔怖いゾ!」
「うるせえ、クソ川!」


……後で行くか。

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