恋を知りました

□モヤモヤ(side岩泉)
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「っ!?岩ちゃん何それ!?」
「あ?」
「そそそれっ…もしかして貰いもの、じゃないよね!?」
「おう、よく解ったな。さっき貰った」
「誰に!?」


及川の言ってることは無視して、
ごんべから貰ったクッキーを口の中に入れる。
ん、うまい。

「岩ちゃんにお菓子を上げる子なんているの?ねえ!及川さんの方かイケメンなのに!」
「うるせえっつってんだろーが」
「あいたーっ!!」

折角美味しく食べてるっつーのに。
邪魔すんな。


「岩ちゃん…もしかして告白されたの!?」
「されてねえよ」
「じゃあなんで!」
「ただの礼だとよ」
「礼って何したのさー、及川さんもほしいー」
「いつも貰ってるだろうが」

こいつの前で食べたらこうなることはわかってた。
けど、ごんべから貰ったのが俺的に嬉しかったらしい。


「あ、そーいえばさー」


後半こいつの話を無視してたからか興味が変わったらしい。


「ごんべさん、お昼とかどこで食べてるのかなー」
「あ?」
「だって普段教室にいないでしょー?俺、ちょっと気になってるんだよねー」
「…知らね」


少なくとも、今は非常階段にいるんじゃないか。


「だって、美人さんだしー、スタイル良いしー、狙ってる男子多いんだよ!」
「ふーん」
「あ、でも、無口だよね。笑ってるとこもみたことないし」
「……そうだな」

俺には嫌々話してはくれたと思う。


「うーん、すごくどんな子か気になる!!」
「気になったところで、相手にされないだろう」
「ちょっと、酷いよ岩ちゃん!」


……次、俺が話しかけたら
あいつは今日みたいに嫌々でも会話してくれるんだろうか。



このモヤモヤが何なのかはまだ知らない。

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