恋を知りました

□珍しいことも
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「邪魔だからしばらくここにいてくれない」
「そうそう!邪魔なんだよね」

休み時間少しの間席を外したら
そのままトイレに連れていかれ閉じ込められた。

「このまま一生戻らなくてもいいよー」
「あんたの事誰も必要としてないし」

バタンと音がする。
あー、出て行ったのかな。

『…はあ』

ビクともしない。
チャイムもなったし、しばらく人は来ないよね。
よし、よじ登ろう。
ここは慣れているから大丈夫。

『…ぃ、よっ…と』

ダンっと無事に着地成功。
…ん、今日はこのまま授業出てみようかな。
あまりサボると単位に影響出るし。

に、しても。
あの二人はどこまでしてくるかなー
あんまり酷くなりすぎると厄介なんだよね、
出来れば今の内に何とかならないかな…


「…大丈夫か」
『……何もありませんよ』
「そうかよ」

教室に戻れば先生には注意さてる程度で済んだ。

岩泉くんが小声で言う。
心配されるようなことはしてないし、されてない。
なのに、気にしてくれる。
迷惑なはずなのに…。

何だろう、最近何だか判らなくなる。

チラリと横を見てみると黒板に目を向けている岩泉くん。
…真面目そうな人なのは判るんだけど。

ジッと見ていたら視線を感じたのか、
岩泉くんがこっちを向いた。

『…あ、ごめんなさい』
「…珍しいこともあるんだな」
『……気にしないでください』

とりあえず、視線を戻しておく。

だけど、やっぱり怖い。

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