シンドリア学園

□参上、霧の団!!
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「おい、アリババ。総会に行くぞ」



授業が終わり、さぁ帰ろうと帰りの仕度をしていた時だった。

がらりと開かれた教室の戸にもたれて、そう言い放った幼馴染みにアリババの溜め息が一つ。

学年が上の、しかも不良と名高い奴が来たならば普通の学生は体育館裏の殴り合いみたいな事を想像するだろう。

しかし残念ながら呼ばれたアリババを心配するような生徒は自分のクラスにおらず、終いには笑顔で送り出す者が居るほど。

頑張れよ、なんて励ましの言葉は要らなかった。



「なぁ、カシム。いい加減総会の度に迎えに来るの、止めてくれよ」



幼馴染みであるカシムと並んで歩きながら、アリババは先程の教室での出来事を思い出した。

毎回毎回、こうも来られては自分のクラスはともかく、別のクラスがざわついてしまうだろう。

アリババは極力、目立つと言うことをしたくはなかった。



「あ?仕方ねぇだろ。お前が毎回総会をバックレようとすんだから」



カシムの言葉が図星だったのか、「うっ」と言ったっきりアリババは何も言わない。

そんなアリババに、カシムは溜め息をついた。




そもそもシンドリア学園には所謂不良と呼ばれる生徒が集まる、そこそこ大きなグループがあった。

しかし不良と呼ばれていても、やる事と言えばシンドリア学園周辺の見回りや不良の統率。

そして挙げ句の果てにはこの前警察と一緒に引ったくり犯を捕まえたりと、世に言われる不良がやる事とは正反対の事をしていた。

そのグループは「霧の団」と呼ばれ、意外と生徒に人気である。




ちなみに何故アリババが「霧の団」に関係しているかと言えば、



「ま、頑張れや。お頭」



アリババ・サルージャ、
歴とした「霧の団」の頭領です。










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