シンドリア学園

□参上、霧の団!!A
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普段は誰も居ない体育館裏。そこが「霧の団」がいつも総会を行う場所である。

空き教室を使うにしては「霧の団」の団員数が多いし、体育館を使って良いと言う先生もいるがそこまでしなくてもと頭領であるアリババが断っているからだ。

まぁ、それはさておき。



「で、今月の報告は?」

「はいっ、警察署から感謝状を二枚ほど貰いました!」

「「「おぉ!!!!」」」



警察から感謝状を貰って喜ぶ不良たち。中々にシュールな光景だがソレに突っ込む人は「霧の団」には存在しない。

強いて言うならば幹部のカシムぐらいだろうが、現在彼は自身の携帯とにらめっこ中であり、まともに話せる状態ではない。

そんな光景を見ながらアリババはふと隣に座るカシムの携帯を覗き込んだ。

瞬間、激しく後悔した。



「なぁカシムさん………何を見てるのかな……?」



どうか自分の見間違いであって欲しいと願いながら、隣の彼に尋ねれば、カシムはしかめっ面のままアリババの方を向いた。



「何って、携帯の待受を選んでるだけだっつの」

「いやいや、俺見ちゃったからね?今完璧に昔のマリアムと俺のツーショットをガン見してたよね??」



そう迫るアリババに、はぁとわざとらしく溜め息をついてカシムはまた携帯に目を落とした。

それに軽くイラッとするアリババ。舌打ちでもしたい気分である。



「お頭っ!俺ら見回り行ってきます!!」

「あぁ、行ってこい。見回り終わったらそのまま解散な」



表情を直ぐ様切り替えて、アリババは他の団員を送り出し残った数名に解散指示をだした。

伊達にお頭やってねぇなとカシムは未だに携帯から目を離さずにそう思う。


あ、この画像丁度良いや。


「よし、アリババ。俺らも帰るぞ」



携帯の待受も無事に決定し、鞄を持ちながらカシムは立ち上がった。

勿論、それに驚いたのはアリババ自身である。



「え、カシム。お前今日何もしてなくね?ただ待受の写メ選んでただけじゃん」

「…………気にするな」

「えぇ!?何だよ今の間は!」

「うるせぇ!いいから帰るぞ、アリバカ!!!」



カシムがキレた。何気に迫力半端ない。



「あ、待てよカシム!!」



慌ててカシムについていくアリババを見て、団員達の顔が弛んだ。




今日もやはり「霧の団」は通常運転のようです。





end






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