シンドリア学園

□部活中にて
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パァンと竹刀が面を叩く音が体育館中に響いた。

それだけではなくて、他にも竹刀同士がぶつかり合う音や、審判の声なども聞こえてくる。

そんな中、丁度開いていた戸の近くにアリババは腰掛けて額に浮かんだ汗をタオルで拭った。


断じてサボりでは無い。
ただの休憩である。


近いうちに剣道の大きな大会があるせいか部の空気はやる気に満ちあふれており、アリババもその内の一人なのだが、如何せん練習がハードすぎて脱落者が続出。
アリババ自身もついていってはいるが、元々体力がないせいか辛いものがあった。

けれど純粋に剣道は好きだし、強くなりたいという願望もある。弱音なんか吐いていられないと、またアリババは立ち上がった。



「お、アリババ。今から入るか?」



ふと聞こえた声に一瞬体が固まる。
声のした方に視線を向ければ此方を見て笑っている顧問の姿。

アリババは嫌な予感が止まらなかった。


そんなアリババを見ながら顧問であるシャルルカンは笑ったまま竹刀を肩に担いで言った。



「今から手合わせすんぞ、俺と」



ほらやっぱりと、何処からか声が聞こえた気がした。





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