magi 短編
□要は、傘さえ不要です。
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雨が降ることは知っていた。そして、時間帯とか詳しいことは解らないが、降る前には帰れるだろうと高を括ったのがいけなかったのだろう。
「うわっ、降ってきちゃった」
外を見ながらアリババはぼやく。後は家に帰るだけというのに、決して待ってはくれなかった天気に溜め息をはいた。
確かに朝天気予報を見ながらも傘を持ってこなかったアリババに否がある。
だがしかし、あと本当に帰るだけだったのだ。
そうやって未だに恨みを持つような目で、アリババは窓の外を見た。
そして視界に入った彼の姿。
アリババは先程の気分はどこへやら、教室を出て駆け出していた。