magi 短編

□ばかっぷる
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「……で、喧嘩の原因は何だったんだ?」


わざと咳払いをしながら尋ねたシンドバッドに、ジャーファルは今更何をと言いたげにアリババの涙を官服の袖で拭いながら溜め息をついた。


「いえ、喧嘩と言うか些細な言い合いですかね」

「アレを些細と言うのか、お前は」


王様びっくりと付け足された一言にジャーファルはもう一度溜め息をつく。喧嘩をしたつもりは更々無いし、現に目の前にいるアリババだって目を赤くしながらも笑っているではないか。喧嘩だったらこうはいかないだろうと、ジャーファルは自分で勝手に納得した。


「だから、喧嘩ではありません。対決してたんです」

「対決?」

「はい。どちらがよりお互いを好きかって対決をしてたんですよ」


ジャーファルの言葉に意味が解らないと固まれば、今まで泣いていたアリババが申し訳無さそうに笑った。


「頑張って対抗してたんですけどね……。何か、ジャーファルさんには敵わないなと自覚したらつい泣いちゃって……」


あはは、と力無く笑うアリババの手をジャーファルはガシッと掴んだ。


「私はそんなアリババくんも大好きですよ!!」

「俺だってジャーファルさんが大好きです!」


固まったままのシンドバッドを余所に、ジャーファルとアリババは二人だけの世界を作ってしまっている。

手を取り合い、微笑み合う二人に、今度はシンドバッドが力無い笑みを浮かべたのだった。










end


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コレ、バカップルになっているか凄く不安…………。





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