忘れ物(文)

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テントの隙間から朝日が差し込む

その朝日がちょうど俺のところに差し込んできたため目が覚める


まぶしい


俺は、基本夜行性のため朝は基本弱い

そのためか周りには誰もいない

起こしてくれてもいいじゃないかと思いながら外に出る





『・・・ふぁ」




欠伸が出る、眠てーなー・・・



たくさん人たちが話し合いをしているのが見えた





「次の街へは、3番路で行こうと思う。どうだろう?ライラ」

「いや、3番路はダメだと思う。3番路には、盗賊団のアジトがある…っていう情報がある」






そのため4番路を通っていったほうがいいとライラは説明した

ライラは、道に詳しくいつも道案内をしてくれるのだとサアサは、ラクダを撫でているアラジンに伝えた





ダメだ!!





急に大声を出すライラ

どうしたのかとキャラバン長たちはざわつく





ザッザッザ

ライラの後ろから二人組の男性が寄ってくる




「よぉ、ライラ!」

「あんたたちは・・・」





気さくに話しかけてくる男とは反対にライラは顔を青くした

ライラだよな?生きてたのか。と近寄ってきた男たちはライラの両脇に移動し話しかける

ライラの顔色からして仲のいい人たちではないみたいだ

アラジンがこのもじゃもじゃのおじさんたちは誰かと聞くと闇市にいた盗賊だと教えてもらっていた

周りもおかしく思ったんだろうヒソヒソ話し合っている





『どういうことだ?』





誰も聞く気がないらしいから俺が聞く

どうって・・・なぁ?とライラにふる

ライラの顔色がさっきよりひどくなる






























「コイツも盗賊なんだよ!」





ライラの顔は絶望で塗りつぶされていた

そしてそれに気づかない盗賊たちはペラペラと少し前まで、うちの盗賊団で下っ端をやっていたこと

行き倒れたふりをしてキャラバンに潜り込み道案内のふりをしてアジトまで先導することをしていたことを話した



周りの空気が静まる





「…違うんだよ……確かに昔は悪さをしたよ…けど”友達”が出来て変わったんだよ・・・」






ぎゅっと裾を握り締め俯きながら話すライラ

もう演技じゃない、嘘をつかずに生きようと決めたのだとキャラバン長に一生懸命自分の気持ちを伝えようとするがスっと前に出されたキャラバン長の手によって途切れた







「ライラ、お前の言うことは信用できない」







拒絶の言葉が重くのしかかる

信じて欲しいとサアサの顔を見るライラ



だが、サッと目線をそらすサアサ


どんな言葉よりもこの行動が、ライラへのとどめとなった





「演技なら他でやってくれ、二度と我々に近づくな」






キャラバン長の言葉は冷たかった

さっきの話は、全部ウソだったんだ

3番路に行こう、危なかったなと口々に話し出すキャラバンの人たち

出発するときにサアサに一緒に行かないかと誘われたが断った




出発したキャラバンを何の感情も示さない目で玲央は見つめていた




ライラは地面に座り込んでいた






「おねいさん、みんなが3番路に。”友達”を…助けなきゃ・・・」

『・・・どうすんだ』

「友達かぁ…勘違いだったよ。」






黙り込んでいたライラがポツリポツリ話し出す

今までも正体をバラせば仲良しごっこは終わり何度もあったことだと


まぁ、あの娘も今までのカモと同じだったてことになるかなと立ち上がり砂をはらうライラ







『…おい、誰も過去のこと何ざ聞いてないんだよ。俺が聞きてぇのはお前が今どうしたいかだ』







いつも以上にキツイ口調で話す玲央

その声にピクリと肩を揺らすライラ





「死んじゃうよ。一度友達の信用を失くしただけで死ぬほど悲しいのに、こんなの何回もやったらおねいさん、寂しくて死んじゃうよ?」

『変わったんだろ?もう、嘘つかずに生きようって決めたんだよな?』















ライラ


















俯いていた顔をこちらに向けたライラの顔は悔しさと寂しさが混じり大粒の涙が流れていた






「悲しいよ!でも、助けに行くなんてもう遅いよ・・・!」






今さら追いつけないと地面に手をつく

大粒の涙が次々に溢れてくる





「大丈夫!僕に任せて!」





アラジンがライラに手を差し出す







「絶対に追いついてみせるから!ね!」







ライラの顔に希望の光がさした気がした





さてと、いっちょ暴れに行きますかね

ゴキッ首を鳴らし玲央は愛刀牙狼を持ち直した



























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