その他×ルフィ

□気持ちの正体
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「キャプテン!ホントに行っちゃうの!?」

ベポが心配そうな目で船を降りるおれを見る。

「この島、海軍がうようよいるよ!」
「心配するな。ちょっと散歩するだけだ」
「最近変だよ。考え事ばっかして」
「いいから」

それだけ言っておれは島の中心にある街へ向かった。



ここは偉大なる航路のある島。

街は多くの人でにぎわっていた。

おれはその人混みを縫うようにただ歩く。


ふと街の人々の会話が耳に入る。

「麦わらの一味が動き出したらしいぜ!」
「世の中物騒になったわね」



麦わらの一味。



その言葉を聞くたびに思い浮かぶのは―――あの男。



「・・・・2年か」



麦わらのルフィ。

あの男がおれの頭から離れない。

なぜかわからない。

ただ考えるたびに何とも言えない気持ちになる。

その気持ちがおれを苦しめる。



前方に白い制服を着た男たちの集団が見えた。

「・・・・海軍か」

騒ぎは起こしたくない。


方向転換し、この場を離れようとした。



其の時だった。



「おーい!ローじゃねーか!」




背後から妙に元気のいい声で呼び止められた。


振り向くと




麦わら帽子をかぶったあの青年が肉を頬張りながら手を振っていた。





「久しぶりだな〜!元気にしてたか?」

あの大声は困る。
海軍に気付かれる。

しかし当の本人は海軍の存在に気付いていない様。



気付かれないように麦わら屋の元へ寄る



「!?」
「静かにしてろ」

そして手をつかみ、そのまま建物と建物の隙間、薄暗い路地に隠れる。


海軍は気付かず、その路地の前を通っていく。




「何だよ急に!ひでぇじゃねーか!肉落としちまった!」



せっかく助けてやったというのに。ひでぇか。



「元気そうで。麦わら屋」
「おう!」



返事をするとともに彼は笑顔に戻った。

そしてそのまま路地にあった大きな木箱の上に乗り、あぐらをかく。

おれは向かい合うように壁にもたれる。
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