きみとの高校生活

□V
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東海高 1−1 ここはルフィのクラス。

「なぁ、ルフィ!」

机で寝ているルフィに隣の席のウソップが声をかける。
この二人は比較的仲がいいのだ。

「んん?なんだ?ウソップ」
「なんか3年にスゲー奴が来たらしいぜ!」
「6月にか?誰が?」
「知らねーけど、スゲー悪ィし強ェらしいぜ」
「へ〜」

二人がしゃべっている間に折り紙が配られる。

「ん?なんだこれ」
「聞いてねーのか?これで鶴折るんだってさ。広島用の」

その言葉にルフィはじっと紙を見つめた後、

「おれ赤がいい!!」


文句を言った。
そこにウソップがツッコむ。

「ルフィ!てめーアホか!」
「赤がいい!」

二人が言い合っていると前に座っている男子生徒から声がかかった。

「赤ならこれ、交換しましょうか?」
「お!いいのか!?お前、いい奴だな!」

ルフィが嬉しそうにすると、同じくその生徒も嬉しそうにする。

そして交換した後、また前に向き直った。

「なあ、ルフィ」

ウソップが小声でルフィに話しかける。

「あいつとそんな仲よかったか?」
「同じ中学だったぞ」
「そうじゃねー。あいつと話すかって聞いてんだ」
「おれは誰とでもしゃべるぞ」
「・・・・・もういい」
「じゃあ、他はねぇのか?」

妙に興奮するルフィ。


しかしそんなルフィを他所にウソップはまだ疑問を抱えていた。



今までにもこのようなルフィの我侭に誰かが対応した。

この前はルフィがいつも楽しみにしている購買の「スペシャルダブルカツサンド」が売り切れていた。

そのとき愚図っていたルフィに自分の持っていた例のサンドを今回とは別の生徒がルフィに譲った。

ルフィに後で聞いてみたがあまり面識はないらしい。

けれども共通点があった。



それはどの生徒も「ルフィと同じ中学卒業」だということ。



そんな脳内を隠しながら、ウソップはルフィに情報提供をする。


「ああ、なんか他校で“頭”張ってたとか」
「他は?」
「ああ!そうだ!今日なんかどっかですっげーでっけェ不良の集会があるらしいぜ!」
「おお!すっげーな、ウソップ!」
「まあ、このくらいの情報、おれ様の手にかかればあっという間よ」
「あとは!?」

妙に興味津々なルフィ。

「あとなんか、こっち来た瞬間ある女子に惚れちまったそうだぜ。惚れられた女子はかわいそうだよな」
「何でだ?」
「そりゃ・・・逆らったら・・・無理やり・・・・なぁ」
「わからねェ。まあいいや」

それだけ聞くとルフィは折り紙に向かった。


「わからねぇ奴」
「ん?なんか言ったか?」
「いんや、何も」
「やべぇ!ウソップ!破れた!」
「はぁ!?もうかよ!?」
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