Penal servitude

□Penal servitudeT*
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「准将!スモーカー准将!!」

突如扉の向こうから慌ただしい男の声が掛かる。

「どうした?」
「近隣の島で麦わらの一味の船員らしき人物が目撃されました!」
「・・・・ッ!!」
「で、どうだ?」
「はい、未だ此方を攻めに来る様子はありません!」
「そうか・・・・そのまま見張ってろ」
「はっ!!」

扉を離れる部下の足音を聞き届け、再びルフィに向き直る。



流石に迂闊には来ねェか。
バカじゃねェようだな、お前の部下は。



スモーカーは感嘆の意も含め、足元で固まっている少年を見下ろす。
余程のショックだったのだろうか。
いつものお気楽さどころか人間の真ともな感情さえも見られない。
口端からは真っ赤な血が流れ、顎を汚す。









暫く見下ろし続けるが、漸くその真意を理解した。







素早く懐から愛用の十手を取り出す。





「・・・・・・麦わら、お前!!!」



そして喉元を突き、床に押し倒す。


「・・・ぐっ!!」
「お前・・・・今何してた!!??」

そのままルフィに馬乗りになり、抵抗する彼の両頬を掴んで口を開けさせる。
口の中は血で紅に染まっていた。
溢れる血液がルフィの口の端から滴る。



先程の唇からでは此れ程の量はあり得ない。





「・・・こんな・・とこで・・・終わらせてたまるか・・・・ッ!!!」

ルフィは力を振り絞り、己の頬を掴む手に爪を立てる。

「おれは・・・アイツらの・・・ッせ、船長だ!!!」

そして目の前で迫る男を睨み付け、吼える。

「あ、アイツらの為なら・・・な・・舌ぐれェ噛み切ってやる!!!死ぬ事なんて恐くねェよ!!!」
「・・・・・・・・・ッ!?」






何だ?一体






スモーカーはただ呆然と此方を見据えるルフィを眺める。






何だ?何なんだ?







見れば見る程に細い体。
しかしその体からは想像もつかない程の優れた戦績を残している。
本当はもっと多いのかもしれない。




その戦績が、この少年にこんな力をつけたのか。




それ程までにその決意に染まる黒い瞳は凄まじい気迫を醸成していた。


「おれが・・やすやすと捕まってるかよ・・!!ちくしょ・・・ッ・・・離せ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・」

ゆっくりと――――――スモーカーはルフィの頬から手を放す。










「せっかく捕まえたんだ。絶対に逃がすか」










その手を胸座に伸ばし、ぐっと掴む。



「なっ!?」
「おれから離れられないようにしてやる」





其の儘己に引き付け、――――――――唇を重ね合わせる。




突然の行為にルフィは目を見開く。






唇の隙間から舌を滑り込ませる。
口に中は血の味が濃かった。
その血を拭う様に、歯茎の表裏、上顎を舐め回す。


「・・・・・!!??んっ・・・・・・んん!!!」

最初自分に起きている事が理解できなかったルフィだが、我に返り体を捻って脱しようと試みる。
しかし海楼石がついている今、真面な力が出せない。


「〜!!・・・ふ・・・・・っ!!!」


スモーカーは抵抗するルフィを無視し、一方的な接吻を続ける。
舌を動かす度、ルフィの体がその都度反応する。




息が・・・・・・っ!!!




酸素不足と口内を襲う快楽がルフィの脳内を犯し、意識が朦朧としてくる。






唇が離れる。





「・・・・!!ゲホッ、・ッつ・・・カハッ・・・・!!!」

突如肺に供給された酸素の量にルフィは咽る。
それと共に急激に意識が覚醒される。





何で・・・こんな事に・・・っ!?




ルフィは目の前で静かに在する男に掴みかかる。

「・・・・・・何すんだ!!!」
「何かって?」


スモーカーはただ小さく笑う。



「お前への罰だ」
「・・・・・・・・・罰・・・?」
「海軍が海賊に罰を与えるのは当然だろ」
「こんなの・・・ッ・・・罰じゃねェだろ!!」
「罰かどうかはおれが決める。海賊が口を出すんじゃねェ」

そしてルフィのベストを掴み、乱暴に引き裂く。

「お、おい!!?何して・・・ッ!!??」
「いいから、黙ってろ」

上を剥ぎ終え、次に首に掛かった麦わら帽子に手を伸ばす。
ルフィの悲痛な叫びが木霊す。

「っ!?やめろ!!帽子は取るな!!!」
「服を脱がされておいて“帽子”か。おれも嘗められたもんだ」
「違ェ!!帽子は・・・!帽子だけは・・・ッ!!!」
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