黒狼

□02
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1ヶ月とは早いもので、あと5日でガーネットの誕生日。
すなわち、期限の日だ。


「あと5日ですね・・・」

『だな。』


そう。
あと5日で誕生日だってのに、ガーネットは浮かない顔。


『どうしたのさ、ガーネット。日に日に焦ってるようにも見えるけど。』

「分かり、ますか・・・?」

『ここ数日で窓の外見てため息つく数が増えたからね。』


“何か”に思い詰めてるのは分かった。
けど、“何に”思い詰めてるのかは分からない。


〔ここ最近変わった事あったか・・・?〕


一緒に本読んだり、私がベアトリクス将軍に扱かれるのを見てたり・・・
とくに変わった事は無かったはず・・・


「・・・決めました。」

『んあ?』


何故か窓のカーテンを初めとして、全ての出入口を塞ぐガーネット。
いやいや、何してんの。


「アヤカ、今ここには私とあなたしかいないわね?」

『あ、うん。そうだね。』


屋根裏に潜んでる気配も無い。



「アヤカ、これから言う事秘密にしてくれる?」

『・・・それは、私とガーネットだけの秘密?』

「えぇ。お母様にも、ベアトリクス将軍にも秘密です。」


見た事無い、ガーネットの表情。


『いいよ。話して。』

「・・・5日後の誕生日に









私は国外へ行きます。」






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