黒狼
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1ヶ月とは早いもので、あと5日でガーネットの誕生日。
すなわち、期限の日だ。
「あと5日ですね・・・」
『だな。』
そう。
あと5日で誕生日だってのに、ガーネットは浮かない顔。
『どうしたのさ、ガーネット。日に日に焦ってるようにも見えるけど。』
「分かり、ますか・・・?」
『ここ数日で窓の外見てため息つく数が増えたからね。』
“何か”に思い詰めてるのは分かった。
けど、“何に”思い詰めてるのかは分からない。
〔ここ最近変わった事あったか・・・?〕
一緒に本読んだり、私がベアトリクス将軍に扱かれるのを見てたり・・・
とくに変わった事は無かったはず・・・
「・・・決めました。」
『んあ?』
何故か窓のカーテンを初めとして、全ての出入口を塞ぐガーネット。
いやいや、何してんの。
「アヤカ、今ここには私とあなたしかいないわね?」
『あ、うん。そうだね。』
屋根裏に潜んでる気配も無い。
「アヤカ、これから言う事秘密にしてくれる?」
『・・・それは、私とガーネットだけの秘密?』
「えぇ。お母様にも、ベアトリクス将軍にも秘密です。」
見た事無い、ガーネットの表情。
『いいよ。話して。』
「・・・5日後の誕生日に
私は国外へ行きます。」
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