HxH Short

□カフェオレが良い
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頭の片隅にあったあのCMソングがふいに頭を横切った。


「カフェ○ーレが、飲みたいーのー」

「…名無しさん?」

「強いコーヒーもいーいけどー」

「………」

「優しーいミールクもスーテキーなのー」


気分が良くなり、次のフレーズを口ずさもうとする。


「あのさ、」

「何?」

「それって誰の事?」

「……へ?」


キルアが少し不満そうに尋ねた。

返答するしかないようだ。


「普通に考えてねー、」

「うん」

「コーヒーがキルアでミルクはゴンでしょ。」

「えっ、俺ミルクなの?」

「当たり前でしょ」


キルアは満足そうに笑うが、一方のゴンは唇をとがらせていた。

ミルクが嫌というよりも、強いコーヒーになりたかったらしい。


「ま、ゴンより俺のほうが強いし。」

「キルアは優しくないじゃん。」

「あ?んな事歌詞に書いてねーだろ」

「それを言ったらミルクだって弱いなんて書いてないよ。」

「え、え?待ってよ、ねえっ」


ゴンとキルアの間に挟まっている私が可哀相に思えてきた。

歌詞の続きのフレーズを歌う。


「し、白黒つーけなーいカーフェ○ーレっ!」

「……」

「……」

「…あれ?」


ゴンとキルアは私を見つめた。

何ともいえない重さの沈黙状態。


「名無しさんはミルクが好きだよね?」


ゴンが私の右腕をそっと抱きしめた。
そんな顔で言われたら否定できなくて困る。


「う……うん!優しいもんねっ」

「でも名無しさんの1番はコーヒーだろ?」


キルアが私の左腕を強引に引き寄せた。
そんな目で見られたら緊張してNOがいえない。


「…や、やっぱり強いからね!」


駄目じゃん、どっちかにしないと。

い、いや、でも選べないし…。


「名無しさん、どっちがいいの?」

「ちゃんと選べよ」


二人の顔が段々迫ってくる。
ぷるぷると腕が震えてきた。


「わ、わたしはっ、」

「「わたしは?」」

「カフェオレが一番好きぃ……っ!」


二人は唖然として口を開けた。

そんな表情に私は苦笑いをするしかない。


「そ、それじゃ、私一人で特訓してくる!」

「俺も付き合うよ!」

「どけよゴン!名無しさんには俺がいいんだよ!」


嫌な予感しかしない。

私の最高速度で逃げ回ろうかな。


「だって、選べないよ!!」





( カフェオレが良い )







( ミルクもコーヒーも大好きだから、 )



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