V i o l e t !

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「さあ、試験会場はここだよ」


ナビゲーターさんの手の先にあったのは、結構高いビル。
流石試験会場ってこともあっておっきいなー、


「そっちのビルじゃなくて、こっちね。」

『……え?』

「このお店だから」


さっきの物凄い高いビルの隣の、ちっちゃくてちょっと古いような定食屋。
ああ、そうか。私って騙され易そうなんだ。


『ほんとですか、嘘ついてないですか?』

「大丈夫だって、そう見えないだろ?」

『うーん……』


はい、なんて言える立場じゃないし。


「ステーキ定食、弱火でじっくりね。」

『?・・・はい。』


注文まで限定ですか。
振り向いたらナビゲーターさんがいなかった。

…とりあえず入ってみようか。


「いらっしぇーい!ご注文は?」

『えっと、ステーキ定食』

「焼き方は?」

『弱火でコトコト……あ、じっくりで!』


間違えたらどうなるんだろう。


「…へい、奥の部屋どうぞー」

『あ、はい。』


店員さんに奥の部屋へ通された。
そこにはテーブルと椅子があるだけで、特に変わった事は無い。

がたっ

部屋全体が揺れて、エレベーターのような感覚。
ってか、この部屋エレベーターじゃない?


『すてーき定食…うぅ』


地味に食べてみたかったりする。
お腹空いた、喉は渇いてないけど。




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