V i o l e t !

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試験開始から約二時間ぐらい走った。
何キロ走ったんだろう。


『きるあー』

「何?」

『それ貸して』


キルアはタイミング良くボードから降りて横に並んだ。
はい、と私にそれを押し付ける。


「いーよ、俺疲れてないし」

『てんきゅすっ』

「ハンナも疲れてそうには見えないけどね。」

『…まあね』


確かに疲れてないけど。
それ以前に、


『キルア、私これ乗れない』

「はあ!?じゃあ何で頼んだんだよ!」

『う。…忘れてたもん』

「ったく……」


ボードを返すとキルアがまた乗り始めた。
するとその瞬間、さっき私達が抜いた人が怒鳴る。


「てめぇハンター試験なめんじゃねえぞ!」

「ん?何の事?」

「何の…ってそのスケボー!反則だろ!!」

『え、そーだったの?』


だって何にも書いてなかったし。
私も乗れたなら乗ってたけどね、おもしろいもん。


「…なんで?」

「あぁ!?これ、持久力のテストなんだぞ!」

「ちがうよ!」


また後ろから可愛い声。
私が想像するにはたぶん純粋でキルアと同じぐらいの男の子、なんて。


「ゴン!てめぇ何言ってる!」

「試験管は着いて来いっていっただけだもんね。」

『確かにー』

「てめぇどっちの味方だっ!あぁ!?」


この人こんなでかい声出しちゃって、後々苦労するだろうなー。

キルアが後ろに下がったので私もペースを落とした。


「ねえ、君いくつ?」

「12才!」


あれ、確かキルアも12才だったっけ。
同い年かあ……いいな。

またさっきみたいにキルアがボードから降りた。


「やっぱ俺も走ろっと」

「『おー!かっこいー!』」

「ん、ハモった?」

『あははー』


12才と同じ感想でコラボしてしまった。
別に気にしてなんかないんだよ、うん。


「俺、キルア」

『私はハンナ』

「俺はゴン!」


私達は軽く自己紹介を交わした。


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