V i o l e t !

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日が差し込んできて、夜明けを知らせた。
まだ目はぱっちりと開いていない。

「皆様、大変長らくお待たせいたしました。この飛行船はまもなく目的地へ到着致します。」


あんまり眠れなかったんですけど、昨日の夜のせいで。
寝不足かな?どうしよ、試験中に寝ちゃったら。

飛行船を降りると……何も無かった。
地面は白いコンクリート。


「あー、皆様。第3次試験会場は此処、トリックタワーと呼ばれる天辺になります。」


え、タワー?しかも頂上?
私は恐る恐るしたをみた。


『ひぃ……っ』

「何だ、これ位でビビってやんのハンナ。」


これ位って何だよこれ位って。
こんなとこにいるくらいならジェットコースターに乗ってやるよ。

制限時間は72時間、下まで降りればいいらしい。
あれ、でもこれどうやって降りるの?

すると私達の前に現れた男がするすると壁伝いに降りていく。


『わー、すごーい…………って。』


挙句の果てに、変な桃色の鳥に食べられてしまった。
なるほど、この人は私達に危険を知らせてくれたのか!

頑張って考えても仕方ないから歩いてよっと。


『…あれ、クラピカどうしたの?』

「人数が減っている。」

『え、何それ怖い。』


本当にその通りで、半数近くに減っていた。

その時、ゴンに呼ばれる。
私達はゴン達のもとへと歩いた。


「あ、ハンナ!!」

『何?』


ガタっと音がして足元がぐらつく。
何が何だか分からず、慌てた。


『ひぁうっ』


視界が暗くなって、身体が下に落ちていく。
ドサっと音を立てて冷たい地面に着地した。

え、ここどこですか?


『……誰かいますか…っ』


返事は返ってこない。
と、急に周りに何かが落ちてきた。


『?』

「っと……あ、ハンナ!」


あれ、ゴン?とキルアとレオリオとクラピカ?
うーん、分かんないけど良かった。


「君たち6人は、これからの道を多数決で乗り越えなければならない。…だってさ。」

『6人?あははっ、間違ってるよこれー!』

「みて!タイマーも6人分あるよ!」

『1つ余計だねー。』


どうやらもう一人来なければこの部屋から出られないらしい。
部屋にはスピーカーがつけられていて、知らせてくれた。

よくわかんないけど、とにかく多数決だってさー。
まあ、もう一人来るまで待つしかないけど。

暇になるとわるいのでリュックからお菓子を取り出す。


「いいなー!俺にもちょうだい!」

「あ、俺もー!」

『はいどーぞー。』


ただのビスケットだけど、こういう時には便利。
私も一枚、齧った。


『クラピカー、とレオリオ欲しい?』

「ついでかよ!」

「ああ、一枚貰おう。」


流石にずっと待ってちゃ暇だしね。
ビスケットは美味しいよね、うん。


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