V i o l e t !
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「よし、今度はこの俺で決めるぜ!」
『おー、レオリオがんばれーっ』
レオリオが通路を通っていく。
相手はさっきより細いし、大丈夫かもな。
「これが終わったら、次はハンナだね。」
「え、俺じゃないの?」
「でも、ハンナが戦うところ観てみたいなー!」
どっちでもいいけど、私はそんな良い戦い方しないよゴン。
でもキルアが戦ったらいきなり殺しちゃいそうで怖いなー。
『ゴンがみたいのは、さっきみたいなデスマッチ?』
「何でもいい!俺、ハンナの事よく知らないから、知りたいだけ。」
『じゃあ、相手に任せよっかな?』
デスマッチなんか提案したら、さっきの奴と同類だと思われそうだし?
『クラピカだいじょぶかなー。』
壁に凭れて俯いている。
シリアスな小説に出てくる女の子みたい。
うーん、クラピカってどんな過去があったんだろう。
幻影旅団のせいで我を忘れるほど苛立つ事があったのなら、謝りたい。
…それにしても、あの紅い目。見た事がある。
.
『マチお姉ちゃんおかえりーっ!!』
「おー、ただいまハンナ。」
「ハンナは癒されるなー」
大勢の足音が、此処へ戻ってきた。
咄嗟に一人の女性を探す。
「ハンナ、良い子にしてた?」
『あ、おかーさんっ』
ひょいと体が宙に浮き上がり、ぎゅっと抱きしめられた。
いつもと変わらぬ温もりを感じて安心した。
再び足が地面につくと、1つのテーブルに皆で集まる。
「ふぅー、今回はちょっと大変だったかも。」
「そうだね、あの人達強かった。」
ガラスのケースに入れられてあるのは、二つの紅い目玉。
とっても綺麗な紅色をしていて、思わずうっとりした。
『なーに、これ?』
「これはね、"緋の目"っていうの。ある種族だけに見られる目なのよ。」
『ふーん……そうなんだ。』
緋の目っていうんだー。
確かに、緋色の綺麗な目……
.
『…あ、思い出した!!』
「うっわ!いきなり話すなよハンナっ!」
そうだよ、あれは緋の目。
……うーん、ますます親が幻影旅団だなんて話せなくなっちゃった。