V i o l e t !

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「さあ、これで蹴りをつけてやるぜ!さっさとそいつを片付けて、次の奴を出しな!!」

「ふふふ、それはできないわね。」

「なんだと?」


聞こえてきたのは綺麗な女性の声。


「そいつを引き上げるわけにはいかないもの。まだ決着がついていないから。」

「決着がついてないだと?どういうことだ!」


女性はそのまま裸足の音を立てて、クラピカからやられた男へ近づいた。


「彼はまだやられてないもの。気絶しているだけ。」


彼女の言い分は、デスマッチを提案した限りは一方が死ぬかしないと終わらないという。
…ということで、クラピカに再び戦うようお願いした。


「断る。」

『え?』

「勝負はもうついていた。あの時、既に戦意が無くなってしまった相手を私は殴ってしまった。」


もうそこからはレオリオが一方的な強請り。
なーんかレオリオって怒りっぽいよね。


「ねえ。あんたが嫌なら、俺が殺ってやるよ。」

「キルア?」

「人を殺した事無いんでしょ。」


クラピカは静かに俯いた。
ってか普通の人は殺した事無いでしょうよ。


「怖いの?」

「殺しは、怖い怖くないで考えた事が無い。」


一対一の勝負だからという理由で断ったらしい。
クラピカはレオリオと真逆の性格。


「でもさ、これは団体行動だから我侭は良くないぜ。」

「おっ!たまには良い事言うじゃねえか!もっと言ったれ!!」


レオリオが多数決をしようとすると、コンピューターは無反応。
まあ、当たり前だけど。

仕方無いから挙手という事でやったけれど、1対5でレオリオの惨敗。

結局、相手が起きるまで待つ事となった。


.


「どうかしたのか、ゴン。」

「うん。」


ゴンは真っ直ぐに青の男を指差した。
確かに、気絶とはいってもさっきから動かない。

明らかにおかしいような。


「…なるほどね」


キルアは何かに気がついた様子。

奥で寝そべっているレオリオに話しかけた。


「あのさぁ。」

「ん?」

「もしかしてアイツ、もう死んでるんじゃないの」


……あ、本当だ。死んでるー…かも。


「なんだと?」

「だって随分時間経つのに、あれっきり全然動かないんだ。」


6人はすぐに反応して男を再度見た。


「くっそー…遠くてこっちからじゃよく分かんねえな。 おい!そいつの生死を確認させてもらおうか!」


レオリオが言うと、女性が前に出てくる。

「急に何?」

「そいつ、気絶どころかとっくに死んでっかも知れねえからな。」

「さっきも言ったでしょ、彼は気絶しているだけよ。」

「あれから何時間経ってると思ってんだ!お前の言葉だけじゃ信用できねえな!!」


やり取りをした後、女性は不適に笑みを浮かべた。


「それじゃあ賭けましょうか。」

「賭け?賭けって何を。」

「彼が生きているか死んでいるか。」

「一体何を賭けるってんだ!」

「…時間よ。」


予想的中。これ絶対外せないじゃん。

時間をチップとして、ギャンブルをするという。
お互いの手持ちは50時間で、交互に問題を出題。
こちらが先に0になれば脱出までの制限時間が減り、あちらがなれば懲役50年分増えるという。

この勝負を受ければ、生死は確認できるらしい。

……私、精神的に無理なんですが。

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