V i o l e t !
□10
2ページ/3ページ
「じゃあ次俺ね。」
『キルアなら余裕余裕!』
「勝負の方法によるけどね。」
キルアが向かおうとしたところ、ガラッと相手側から音がした。
金髪の………
『おじいちゃん?』
「はあ!?よくお前こんな時にのんびりしてられるよなあ?」
キルアから呆れられた。ちょっと悲しい。
「キルア!あいつとは戦うな!」
「何で?」
「ザバン市史上最悪の大量殺人犯だ。狙われた人間に関連性はない。老若男女問わず、146人は彼の手によって無残な死を遂げている。」
『あらあら大変?』
レオリオはキルアが戦わずに負ける事を望んだ。
だが、キルアはそれに逆らって前へ進んだ。
「キルア!俺の話ちゃんと聞いてたのか!?」
「…キルアの判断にまかせよう。何か策があるのかも知れない。」
キルアがステージに上がると、通路は引っ込む。
これで後戻りは出来ない。
「勝負の方法は?」
「勝負?勘違いするな。これから行われるのは一方的な惨殺さ。」
『…お逝かれだ。』
キルアはデスマッチだと判断して、OKを出す。
「お前の泣き顔、俺様がこの手でバラバラに…」
そういった瞬間、キルアが物凄い速さで動いたかと思えば、相手の後ろにいた。
「な、何だ?何か寒い…」
キルアが何かを見せるようにして振り向く。
途端に男の顔は凍りついた。
「そ、それは……俺…の…」
手にしていたのは、いまだに動き続けている心臓。
Is it his heart?ごめんなさい、ふざけました。
「か、返してくれ……う…うぅ………」
心臓の動きがぱたりと止まる。同時に男も倒れた。
キルアは倒れた男の手に心臓を置いた。
『4勝2敗。』
「あいつ一体何者なんだ…?」
「そっか、知らないんだね。キルアってさ、暗殺一家のエリートなんだって。」
「えっ!暗殺一家のエリート…」
まあ、レオリオは凡人だから驚いても仕方無い。
「ただいま」
「ひぃ……っ!」
「何?」
「や、その…お疲れ様でーす!!」
『ぷっ』
今回ばかりは、レオリオに突っ込まれなかった。