V i o l e t !
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あーあ、またですか。
トンパさんの挑発にレオリオが簡単にのる。
いいじゃんそんな事ー!
あれ、何か黄色い物体飛んできた。
『へびゅっ!?』
顔面直撃痛快ヒット。
「こるぁ!何やってんだ!!」
「あ、ごめんハンナっ」
「俺は無視かよゴンんんん!」
大丈夫です、一瞬痛かっただけ。
トンパに当てれば良かったのに。
「こんな狭いところでスケボーなんて乗るんじゃねえ!」
「えぇーっ」
.
40時間6分。暗い中でその文字だけが光った。
眠い。けれども眠らなくても平気。
少し身体を起こして、自分の右手を見る。
……頼りないな。
「起きてるの?」
『…キルアも起きてるんだ。』
部屋は薄暗く、状況もはっきりつかめない。
腕時計に目をやると、朝の6時30分を示していた。
あれ、何か飛んできた。
『へぶっ』
「ハンナ、せーのでいくぞ」
キルアはソファで寝ているゴンを指差した。
なるほど、そゆこと。
「せーのっ」
クッションを同時に投げると、二つともゴンに命中。
ところが、ゴンの手が動いて私の元に戻ってきた。
『起きてる!?』
戯れ声が部屋中に木霊する。
.
「ふーん、釣りって針に餌つけて垂らすだけじゃないのかー」
「うん。魚の気持ちになるんだよ。」
『はい?』
「今此処に餌を垂らしてくれたらなーって。」
『ふーん』
「貸して?」
ゴンが釣り針と向き合い、トンパさんのマグカップにそれを入れる。
続いてキルアも挑戦するが、外れてレオリオの足元へ着陸。
「まあ見てろって。」
キルアが釣竿を引っ張ると、レオリオのズボンに引っ掛かる。
昼寝をしていたレオリオも、必死でズボンを守ろうとする。
『あははっ』
.
時間はどんどん過ぎていく。