V i o l e t !

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結局その日からはずっとゴンと行動した。
ゴンも私も既に6点分溜まっていたので、あまり無闇には動いていない。

でも、最終日の朝おきてみると。


『ゴンんんんん!Gon is not at here!!』


木の中だという事も忘れて立ち上がると当然頭に激痛が走った。
それと同時に、ファサっと紙切れも落ちてくる。


『ん?…終了時間が近づいたら気をつけて出て行く事?』


気をつけて…って、私が本当に弱い奴みたいじゃん。

携帯時計を見ると9時12分。
結構眠ってたんだ。

周りを見ながら外へ出ると、暑い日差し。
でも気温は高くなかった。

やっぱり行こうかな。

そう思った瞬間、後ろから目を塞がれた。
その手は冷たくてすごく硬い。


「プレートを渡せ。」

『…なーんだキルアじゃん。』


パッと手は外れ、私の前に現れた。
硬い手は筋肉を操作していたらしい。


「ちぇー、ばれないと思ったのに。」

『キルアだから分かるよ』

「そーゆーもん?」


見た限り、キルアは汚れていないし怪我も見当たらない。
プレートを取るのは彼にとってはお遊び程度の事だったのだろう。

この調子なら楽勝に合格できるかな。


「っと、早くスタート地点に戻ろうぜ。」

『え、何で?』

「はあ?アナウンスで言ってただろ!」

『あはは、流れてないよそんなのー!』


やっぱりキルア疲れてるのかな、アナウンスの空耳なんて。

でも鳴ってもおかしくない。


「あははじゃねーよこっちが笑いたいくらいだよ!さっきでかい音でお戻り下さいっつてたろ!?」

『…だって寝てたもん』

「お前俺が来なかったら即失格になってたぜ!?」

『じゃあありがと!』

「呑気すぎるんだよ帆南はっ!」


その後も物々言いながらスタート地点まで連れて行ってくれた。
気づくと私の小さな手はしっかり握られている。

その声が段々小さくなるにつれて握る力は強くなった。


.


「では、到着した人からプレートを確認しまーす!」


次々と名前が呼ばれ、私のプレートも確認された。
それと同時に、なぜかヒソカもくすくす笑う。


「ゴン!」


キルアが上を見上げた。
声こそ出なかったが、立っていたのはゴンとクラピカ、レオリオ。

駆け込みセーフってやつ?

とりあえず、ハンター四次試験合格いたしました。

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