V i o l e t !

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「キルアに謝れ!」


ゴンがイルミさんを睨みつけた。

気づくと隣にはサトツさん。
もう止める気は無いらしい。


「謝る?何を?」

「そんな事も分からないの?」

「うん」


ゴンの右腕に力が入る。


「お前に兄貴の資格なんて無いよ。」

「兄弟に資格がいるのかな?」


ゴンの怒りにスイッチが入った。
力の入った腕はそのまま相手をぐっと引き寄せる。

掴まれた腕はすごく痛そうだった。


「友達になるのだって、資格なんていらない!」


ゴンの右腕に更に凄い力が入る。
血管が浮き出て、鈍い音がした。


「もう謝らなくていい。キルアのとこに案内してくれるだけでいい。」

「そしてどうする?」

「決まってんじゃん!キルアを連れ戻す!」


まあそうなるよね。てかそれしか無いし。

……ちょっと待って。
キルアって殺し屋じゃ無かったっけ?
家とかはやばいんじゃ…


「まるでキルが誘拐でもされたような口振りだなー、あいつは自分の足で此処を出て行ったんだよ?」

「でも、自分の意思じゃない。お前達に操られてるんだから誘拐されたも同然だ!」


ゴンが言い終えると、ネテロ会長が一歩前に出てきた。


「丁度その事で議論していた所じゃ、ゴン。」


クラピカとレオリオの両方から意義が唱えられたらしい。
キルアの不合格は不当だと。


「キルアの様子は、自称ギタラクルとの対戦中とその後において明らかに不自然だった!
 対戦の際に何らかの暗示を掛けられて、あのような行動に至ったと考えられる。」


クラピカの発言は素晴らしく思えた。
が、会長が異議を唱え、同じ合格者のポックルが不満を言い、ゴンがイルミを強迫。
結局、何も変わらなかった。


.


ライセンスの使用方法その他の説明も終わり、
一応途中参加した私も解放された。

重い空気から逃れても、足は進まない。
少々の人混みでも進めなかった。


「ギタラクル!」


ゴンの声が少し遠くから聞こえる。
ああ、キルアの居場所教えてもらうとか言ってたっけ。

頭が段々ボーっとしてくる。
でも我慢して進む。

眠いのかな?さっきまで寝てたくせに。

でもきっとこれからキルアに会いに行かなきゃいけないはず。
ハンター試験って疲れるのね。

いや、私だけかも知れないけど。


「あれ、そういえばハンナって何処?」

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